自分で「解決したい」という思いがあれば、道は開ける
私が最初に借金をしたのは、平成13年の6月頃です。東京で一人暮らしをしている息子への仕送りをするために借りました。 夫と離婚に至る２年程前より家庭内がおかしくなっており、当時中学生だった息子は不登校になっていました。何とか、主人にやり直してほしいとお願いしましたが、聞き入れてもらえず、２年後、離婚しました。 その事が息子には相当ショックだったようで、不登校は治らず、受験はしたもののすべて不合格となりました。私は、長男の一番大事な時期に、心に傷をつけてしまった事に、とても負い目を感じ、立ち直るためだったら、どんな事でもしてやりたいと思うようになっていました。 息子は中学卒業後、元々音楽好きだったこともあり、音楽を通して少しずつ明るくなっていきました。 その後、芸能プロダクションのオ-ディションを受け、合格し、東京での一人暮らしが始まりました。それからの息子は、どんどん明るくなっていき、以前の活発だった頃に戻っていきました。 そんなある日、東京で暮らしている息子から「マンションの更新料が必要なので助けて欲しい」と連絡を受け、貯えが無かった私は、初めてクレジットカ-ドで借りました。 そして、そのことがきっかけとなり、収入で足りない分は、借り入れで当てるようになっていきました。 最初は、1つだけだったカ-ドは、あっという間に増えていきました。そして返済額も増えていきました。 借金をしている事は、誰にも言いませんでした。いつも何かと助けてくれる両親には、心配をかけたくないので言えませんでした。ましてや、父は持病があるので、余計に言えませんでした。そして息子にも・・・不登校から立ち直って、何とか自分の夢に向かって頑張っているので・・・。 仕事もパ-トから1日勤務に変えてもらいましたが借り入れをしないと、返済と私の生活は成り立っていきませんでした。この1年ほどは、本当に苦しかった。いつも何をしていても、返済の事が頭から離れず、重しが乗っているようでした。 もう限度額が一杯で、次の返済のめどがたたないと思い始めた去年の11月の末、私はインタ-ネットで、「借金返済」とか「多重債務」とかで検索していた時、ふと「ＮＰＯ法人女性自立の会」のホ-ムペ-ジを目にしたのです。 その中で、「体験者の声」という所に目がいきました。夢中になって見ているうちに、自分と同じように苦しんでいる人がいると思い、藁を掴む思いで電話をしてみました。 最初に電話に出られたのが、有田さんだったと思います。私が多重債務者である事、そして東京ではなく地方である事を言ったと思います。 「自立の会」は東京にあるので、私のように地方にいる者は、はたして相談できるのだろうかというのがあったのです。初めて電話をしたのに、有田さんは、親身になって私の話しを聞いてくださいました。そして、話しているうちに、有田さんの郷里が、今私の住んでいる所だとわかったのです。 全くの偶然でしたが、何か不思議な縁を感じました。そして、「アドバイスできるかもしれないから、借り入れの額を書いてみて」と言われた時、私はがく然としました。だいたいの額はわかるけれど、いったいいつからどこでというのがわからなかったのです。そして、請求書と通帳を見ながら1つ1つ書いていったのです。わからなかったと言うより、私は自分の債務について、怖くて逃げていたんだと思います。その時、初めて自分の甘さに気がつきました。 目の前の返済の事だけしか考えられず、冷静に、今の状態を見ようとしなかった事を・・・。そして、これから先の事も考えようとしなかった事を・・・。 有田さんからは、すぐにファックスで返事が送られてきました。私は、話を聞いてもらえた事で、救われた気がしました。冷静になる事もできました。 その後、私は、有田さんからのアドバイスを受けて、地元の司法書士協会に電話して、司法書士の先生を紹介してもらいました。司法書士事務所に行くまでは、何か偉そうな人だったらどうしようとか、怒られはしないかとか不安でしたが、全くの偏見でした。 私の担当は、若い司法書士の先生でしたが、本当に親身になって相談に乗って下さったのです。そして、色々と相談した結果、私の場合は、「自己破産」という道を選択しました。「半年間、苦しいかもしれないけど頑張りましょう。」と言って下さり、勇気が持てたのです。 それから、書類を作成してもらい、去年12月の末に裁判所に提出しました。「わからない事があれば、いつでも電話して下さい。」と言って下さり、小さな不安があると、そのたびに電話してアドバイスをいただいています。有田さんも私がメ-ルで報告する度、必ず返事を下さり励まして下さいます。11月の末、「女性自立の会」に電話して、相談に乗っていただいた事が、私の人生を変えようとしています。 それまでは、誰に相談していいかわからず、悩みで自分が押しつぶされそうで、先の事を考える事もできなかった。でも、悩みの原因を作ったのは、自分なのです。必要だったとはいえ、あまりにも安易に借りてしまった。 自分で作った原因は、自分で勇気を持って解決しなければ・・と思います。でも、たった1人で解決するには、限界があります。その時に、勇気を出してまず相談してほしいと思います。 東京に住んでいれば、私はすぐに「女性自立の会」に行って、直接お会いして相談に乗っていただけたと思います。でも、地方に住んでいても、電話やメ-ルで本当に親切に相談に乗っていただいて、勇気をいただいた・・・。 自分で「解決したい！」という思いがあれば、何かしら道は開けてくると思います。人は1人では生きていけません。いつも、周りに助けられているんだと思います。今、家族に全部打ち明けて、見守ってもらっています。 来週、第1回目の審問が裁判所であります。まだまだ不安ですが、頑張ろうと思います。そして、この事を教訓に、もう絶対同じ過ちはしない！！と心に誓っています。 |
声 9（40代女性 愛媛県在住）