お金の問題ではなく、心の問題
ある時期から給料のほとんどが毎月の返済で消え、生活費はクレジットカードのキャッシングで工面するようになり、毎月自転車操業状態。カードで買えるものはリボ払いか長期の分割で購入するようになっていました。このままではいけないとわかっていましたが、結局15年間、ローンを組むために何十枚もの契約書を書き続けていたのでした。 ところが去年の10月、偶然開いたホームページで、私がこれまで関わってきた宝石販売店や教材会社が悪徳商法であると掲載されているのを見つけ、あまりの驚きに震えが止まりませんでした。そしてその直後に女性自立の会のホームページを見つけ、ワークショップに参加したのが女性自立の会、そして有田さんとの出会いでした。 有田さんのところへ相談に伺った時、私の債務は1000万円ほどに膨れ上がっていましたが、自分では半分くらいだと思い込んでいました。毎月の返済額は把握していても、債務の総額についてはある時期から金額の多さに怖くなって目をそらしていたと思います。完全に現実逃避していました。 なぜこんなことになってしまったのか。この答えを見つけるため、多くの時間を有田さんとのカウンセリングに費やしました。そして自分の育った環境や生育歴が私の性格に影響しそれが原因であることがやっと解ったのです。 購入したもの全てが本当に欲しくて買ったものなのか。。今冷静に考えると必ずしもそうではなかったとわかります。あったらいいな、必要なものだな、と思っている自分もいましたが、同じようなものをもっと安価で買うことはできたはずです。それなのに高額の商品をローンを組んでまでも購入したのは、勧誘のセールスマンとの会話が楽しく、親しくなったと思い込んでしまったことが大きな原因だと思います。 中学生のときに父親を亡くし、母と小学生の弟を前にして「私がしっかりしなければ」、「良い子でいなければ」と思った時から、どんどん本当の自分をだすことができなくなり、いつのまにか本当の自分とはかけ離れた自分像ができあがっていました。そんな自分の心の寂しさを勧誘のセールスマンに見抜かれ、カモにされてしまったのでしょう。 この15年間、私はお金のことで悩んできたつもりでしたが、本当は心の問題で悩んでいたのでした。 女性自立の会との出会いから一年近く、自分の抱えるお金、そして心の問題と向かい合ってきました。まだ完全に解決できたわけではありませんが、自分らしく生きるためにはどうしたらいいのかが少しずつわかってきたように思います。今では勧誘の電話がかかってきてもはっきり断ることができます。 かなり回り道をしてきてしまいましたが、これから先の人生は、この15年間の苦しみを無駄にしない日々を送っていきたいと心に誓っています。 |
声 19（30代女性 神奈川県在住）