「今が楽しければ！」から、
これからのことも計画的に考えられる生き方へ
 声 25（30代女性 東京都在住）
昔の私がよく口にしていた言葉は"今が楽しければそれでいい"でした。社会人になった私は、洋服や化粧品、友人や彼氏との遊びや飲食、旅行に惜しみなくお金を使い、一人暮らしをしながらも数百万もする車に乗りと・・・まさに自由奔放な生活を送っていました。当然、毎月手取りのお給料が18万円ほどの私が、そんな生活を長く続けられる訳がありません。当時の私は、今まで通りの自由と楽しさを得たい一心で、クレジットカードによるキャッシング、すなわち借金という道を選びました。
初めて、クレジットカードを使いキャッシングをした時も、まるで自分のお金を銀行から下ろす感覚で自分への罪悪感もなく、「友達も使ってるから大丈夫」「これで今日は楽しく遊べる！」なんて軽い気持ちでした。こんな軽い気持ちで使い始めた私が、7枚もの各種カードを手に入れ、使い続けるまでそう時間もかかりませんでした。もちろん、借りては返すの生活の始まりです。
そんな生活を続けていた私にある日、悲しい事だったのですが、後の大きな転機になる出来事が訪れました。地方の実家に暮らす母が病に倒れ、もしかしてこの先は長くないかもとの知らせです。当時、病院のベットで母が私に言った言葉を今でも覚えています。『毎週、病院に来てくれてありがとう。でも交通費は大丈夫？変な所からお金を借りてないでしょうね・・・』そんな問いかけに私は、『大丈夫。ほら、私お金あるから・・・・』当然そのお金は自分のお金ではなく、キャッシングしたお金です。そうです。私は母に嘘をつきました。
それと同時に今まで感じた事のない、大きな大きな罪悪感に襲われました。ただ、その頃には私の借金は自分でもいくらあるか分からない程に膨れ上がっていました。それから、どうする事も出来ないまま、何度か季節も過ぎた秋・・・母は他界しました。
葬儀も終わり、母の遺品を整理している中で、母の堅実な生活ぶりや確かな経済観念を知りました。
こんな母の子供に生んでもらったのに、私は借金に借金を重ねとんでもない生活をしている。申し訳ない。きっと母はあちらの世界から私を見て、怒っているだろう。そして悲しんでいるだろう・・・。そして私は借金について真面目に考え人生をやり直そうと決めました。
それから半年程たった夏、私は今までの生活から脱するべく、住んでいた地方都市から東京へ転職しました。慣れない仕事や生活の中で、まずは借金の事について相談出来る所を探しました。電車の中や街中では、たくさんの弁護士や司法書士の広告を目にしました。『弁護士は敷居が高そうだな』『悪徳な所で騙されたらどうしよう』『出来れば優しそうな人がいいな』そんな事ばかり考えていて、なかなか肝心な相談する一歩が踏み出せませんでした。そんな中、"女性・多重債務"というキーワードで、女性自立の会のHPに辿り着きました。そこには、"人生は必ずやり直せる"という一文と、優しそうな有田宏美さんの写真が載っていました。また「相談者の声」のコーナーを何度も何度も読み返し、私と同じ様に借金で悩み抱えている方が多くいる事も知りました。
初めて、女性自立の会に伺った日、私は包み隠さず今までの借金の事、今の現状などを、まるで母に告白するように有田さんに話をしました。もちろん母というより姉のようなお年の有田さんです。だけど、自然と話が出来たのは、どこか懐かしい優しさや安心感が有田さんにあったからだと思います。
その後も手続きが進む中で不安や緊張等いろいろな想いがありましたが、その都度、有田さんからは適切なアドバイスをと勇気を頂きました。
女性自立の会と出会って早いもので一年が経ちました。本当に感謝しています。お陰様で私は、"今が楽しければ・・"ではなく、明日そしてこれからの事も計画的に考えられるようになったつもりです。
ある日、『最初の頃より笑顔が良くなったね』と、有田さんに言われた事がありました。うれしかったです。まだ先は長いけど、今の私を見て同じようにあちらの世界で母も笑顔でいられるように、がんばりたいと思います。
最後に、もし昔の私のような方がいたら、キャッシングは自分のお金ではない事に早く気が付いて欲しいです。そして、一緒に一日も早く人生をやり直せれば・・・と思います。
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