「相談者が作るシンポジウムに寄せて」

声 34（30代女性 岡山県在住）

今から遡ること3年前、11月の終わりのことでした。当時は、毎日毎日身体が緊張しているような、胸のあたりが締め付けられるような、そんな感覚が常にあって夜もあまり眠れませんでした。なぜなら、その頃の私には、多額の借金がありました。どうやってここまで増えたのかわからない金額でした。そして、来月の返済の目途が立たなくなり、毎日死にたいと考えていました。自分はまっとうに生きられない、ダメな人間だと責めてばかりでした。

　そんな中、インターネットで「女性自立の会」の存在を知ったのです。それまでの私は、何度かインターネットを通じて多重債務について調べてみたことがありました。実際に問い合わせたこともありましたが、先方の応対に不信感や恐怖感を覚えてしまい、相談することには至りませんでした。どこも事務的な応対だったのです。

　でも、「女性自立の会」のHPを見たときに、相談者の声を読んで、そして有田さんの写真を見て、思わずメールを書いていました。とにかく助けを求めるための必死のSOSを送った気がします。今でも思い出すと、涙が出そうです。

　翌日、早速有田さんから返事をいただき、そして電話で初めて話しを聞いていただいたのです。

　「よく頑張ったわね〜。もう大丈夫よ」・・・・その言葉に涙が噴き出しました。そんな言葉をかけてもらえるなんて思ってもみなかったからです。そこからは、何とか助かりたい一心で指導していただいた書類を準備したり、借入先の状況を調べたり徹夜でしました。

　この人なら、安心して心の中を打ち明けられると感じたことが一番大きかったんだと思います。借り入れ状況を調べて愕然としました。360万円・・・・・・どうやってここまで・・・・記憶に無いものに近かったのです。自分で借りたことなのに。しかし、自分がしでかしたことには違いありません。そして有田さんに1つだけを堅くお願いしたのです。「誰にも知られずに、自分の力で完済したい！！そうでなければ、自分は本当の意味で立ち上がれない」と思ったのです。有田さんが言ってくださいました。「そうよ！貴女が解決するのよ！私達はそのお手伝いだけなのよ」と。つい数日前まで死ぬことしか考えていなかった自分が、やけに燃えていました。「これで人生やり直せるんだ」そして「二度と繰りかえさない」と本当に心から誓えたのです。

　実は、私は以前にも1回多重債務に陥ったことがありました。その時には、周りの手を借り、そして最終的には父親に用立ててもらって完済したので、自分の力でやり遂げたわけではありませんでした。その事実が余計に、この再発したときに重くのしかかっていたのです。「もう自分は救いようがない馬鹿だ」と。だからこそ、今回自分で痛みを感じて解決しなくてはいけなかったのです。何がなんでも。そして、法律家の先生をご紹介していただいて、手続きが始まりました。最後に先生にお目にかかった時「「女性の幸せをつかみなさい！」と言って下さった言葉が胸に刺さりました。それまでの私は、男性と出会っても、借金のことが頭から離れず、いつも自分から別れたり、疎遠にしたりしていました。相談なんて到底出来るはずもなく、当時35歳だった自分はこの先ずっと独身で借金の返済に追われる人生なんだと思っていました。堂々と恋愛すらする資格もない人間だと思っていたのです。
　でも、このときから、自分の人生にも未来があることを知らされました。3日後の自分が見えなくて、3ヶ月後の自分が想像できなくて、3年後はこの世にいるかどうかもわからない人生だったのです。そして、その後任意整理の手続きを開始し、約14ヶ月で返済のところを9ヶ月ほどで返しました。このときほど、自分の胸が晴れたことはありませんでした。世界中が、目に飛び込んでくるもの全てがカラーに見えるような少々大げさかもしれませんが、本当にそんな感じでした。

　カードなんて持たなくても生きていける事を知りました。むしろカードが自分の首を絞めていたのです。それから、1年後には、夢だった一人暮らしを始め、本当の意味での自立を遂げました。

　一度でいいから、自分の給料だけで生活してみたかったのです。決して貯金は得意ではないので、お金がすごく貯まったわけではありませんが、借金が無い事がこんなにも背中が軽いことなんだ〜と、ふとした時によく思っていました。そして一人暮らしをして1年半がくる頃、私はやっと人生の伴侶に出会いました。同じ会社の同僚で中途採用で同期入社だった彼とは、9年近く仲良くしていました。不思議と何でも話せて、いろんな悩みを打ち明けたりしていました。男女の間に友情は・・・成り立つと思っていたぐらい親友だと感じていました。

　そんな彼にある時、私が多重債務で苦しんでいたこと、そしてそれを任意整理したことを話したのです。なぜ、彼に話す気になったのかは、不思議でしたが恐らく、私を非難したりしないと思ったからでしょう。話したときの彼は、まず「なんで今まで相談してくれなかったんだ？」と。その渦中は誰にも話せなかったと言いました。そして「よく頑張ったな。それに、夢も叶えたな（自立）。」と言ってくれました。親にも誰にも言えなかったことが、彼に伝えられたことで、絶対の信頼感を感じずにはいられませんでした。そして、間もなくプロポーズをされ、私は快諾しました。彼が「もう不安に思うことはない。またお前がお金のことで悩みそうになったら、絶対話して欲しい」と言ってくれました。2008年12月28日に入籍をし、私達は夫婦になりました。2009年1月25日に両親と兄弟、親しい友人に囲まれて、結婚式を挙げます。3年前には全く想像も出来ませんでした。でも、自分の力で幸せを見つけました。

　結婚式の費用も自分達でやれる範囲で、誰にも頼らず用意しました。これもまた大きな自信となりました。今は、彼のお義母さんと弟と一緒に二世帯住宅で仲良く新生活をスタートして、最初のお正月を迎えました。人生で、一番幸せな時間を今過ごしている気がします。いえ、これからもずっと幸せになるよう頑張ります。

　今、私と同じような状況で苦しんでいる方々に伝えたいです。人生は、捨てたもんじゃないってこと。まじめな人ほど、きちんと返そうとするから、悪循環をまわります。私もそのうちの一人でした。早く、助けを求め、そして必ず自分の力でやり遂げてください！やり遂げれば、自分自身の絶対の自信に繋がるのです。これを乗り越えることが出来たら、何でも出来る気がします。

　そして最後の最後に、貴女はダメな人間なんかじゃないのです。誰かにとって、誰でもかけがえの無い人になり得るのです。だから生きていきましょう！ここまでこれたのは女性自立の会、有田さんのお陰です。今38歳、遅い結婚ですが、誰よりも幸せになります。ありがとうございました。

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