「丁寧に生きる」
 再生者の声01（東京都在住40代女性）
〈相談者の体験談（メッセージ）No.43 Mさんの手記より〉
社会人となりお給料を頂き始めてから欲しいものは購入し、まとまった金額のものはカードを使って分割したり、払えていると錯覚して加速していました。キャッシングにも慣れ、気づくと到底お給料からは払いきれない額となっていました。それでもなかなかその現実に向き合うことが出来ず、身内や親しい人に相談する勇気を持てませんでした。
債務を抱えていた当時の収入と生活の状況は？
平成20年の初め、私の借金は300万円に膨らんでいました。派遣社員として働いて、収入は手取りで20万円程を得ていましたが、家賃の支払いと債務返済をすると、手元にお金は全く残らず、自力で返済することができなくなり、「個人再生」を申立て、月々3万円の返済を3年間続けました。
返済期間中一番大変だったことと、そのとき、どうやって乗り切ったのですか？
どうやっても生活費が足りない時期がありました。もちろんもう借入れはできないので、家にあるものでお金になりそうなものを「現金」に変えて何とか乗り超えていました。
債務を抱えたことや債務を整理したことで、お金の「使い方」に変化はありましたか？
振り返ると、債務を抱えていた頃はお金の価値もわかっていませんでした。借金をしても返せる自信もありました。借金が返せなくなる日など来るはずないと思っていました。でも、どうやっても返済できないと気がついたとき、自分で何とかするしかないと・・・。「人生をやり直すための63の方法」という有田さんの本に出逢ったとき「ここへ電話をかけよう」と思いました。電話をかけたときのことは今でも鮮明に覚えています。
返済がスタートした頃は、神経質になり、姉からも「ケチケチ人間」と言われた程でした(笑) でもお金がないのだから仕方ありません。ピンチの時は歩けるところは歩く。お友達との付き合いも、以前は断れなくてお金と時間の無駄遣いばかりしていました。そんなことを続けていては生活ができません。 生活費を除いたら自由に使えるお金なんて僅かです。限られたお金の中で、自分らしくあるためにお金を使おうと思うようになったとき、お金に自分なりの「付加価値」を付けて楽しむことができるようになりました。そうなると誘いを断ることも苦しくない。いつの間にか友達も厳選されていました。
そんな風に気持ちを切り替えられたのはなぜ？
傍にいてくれた人たちのおかげです。今私の周りにいてくれる人たちは「お金よりも大切なものがある」という認識で暮らしを楽しんでいる人たちばかりだから、とても勉強になります。私の生活は相変わらず苦しいけれど、家計はエクセルで管理しているので、赤字の月があっても、翌月で調整しようと、慌てないで済むようになりました。
現在の収入と生活の状況は？
収入は、債務を抱えていた頃と殆ど変わりません。手取りで21万円くらいです。それでも僅かですが貯金もできました。家計管理を続けたことで、費目ごとに「いくらまで」と予算立てることができるようになったので、あの頃よりずっと心豊かに暮らせています。収入は変わらないのに、趣味の絵画鑑賞やcaféで、自分の好きな時間を楽しむゆとりもできました。
最後に・・・Mさんの夢は？
夢とは少し違うかもしれませんが、今、派遣から正社員への転職を考えています。年齢的に厳しいとは思いますが、チャレンジしないより、した方が自分らしくて良いと思っています。そして、これからも「丁寧に」暮らしていきたいと思っています。
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