「無限大の明日を信じて」

再生者の声07（東京都在住40代女性） 

「不幸の見本市のような人生」。これまでを過去を振り返って、そう言葉にしたHさん。
債務を整理して、もう一度人生をやり直そうとしていたHさんに、「乳癌」という新たな試練が降りかかりました。
それでも、現実から目を背けることなく、そして人生を諦めることなく前を向いて歩き続けました。
今回は、病と闘いながら７年かけて債務を返済したHさんにお話を伺いました。

7年間の返済お疲れ様でした。最後の返済を終えて、今、どんなお気持ちですか？

あと２ヶ月、あと1ヶ月・・・返済表に一本ずつ線を引きながら、その日を待っていました。
そして、最後の返済を終えた日は、「終わった～」と叫びそうになりました。
家に着くなり、これまで一緒に暮らし、支えてくれた母に、完済したことを報告しました。
すると、いつもはとても厳しく強い母が、「本当によく頑張った」と泣いたんです。
ずっと、一人で哀しい涙ばかり流してきたと思っていたけれど、
完済したことを心から喜んでくれる母が傍にいてくれたことに気がつき、
その日は母と一緒に嬉し泣きしました。
債務を抱えていた時間は、Hさんにとってどんな時間だったのでしょうか？
借金を抱えたのは、夫の事業不振が続き、生活費を入れてもらえなかったことがきっかけでした。
一度目のときは、まだ、父が生きていたので、父に相談して全額返済してもらいました。
でも、夫は、父が借金を肩代わりしてくれた後も、働こうとはせず・・・。
　私は、（当時、病を抱えていた）父に、これ以上、心配をかけたくなかったので、
私のカードで、生活費や夫の事務所の家賃まで借入れに頼るようになり、
債務は、あっという間に400万円近くにまで膨らみました。
　父は、私が債務を抱えていることに薄々気づき、心配しながら他界しました。
その後、夫とは離婚しましたが、お金の支援は一切ありませんでした。
　最初のうちは「どうして私だけが・・・」と、心の中で夫を責めてばかりいました。
でもそれは、自分を苦しめることにしかなりませんでした。
　だから借金と向き合う決意をしました。

債務の整理を決意してからもいろんなことがありましたね。
それでも返済を続けられたのは？

自己破産してリスタートしたかったけれど、母親と暮らしていた家と土地が、
私と母の共有名義になっていたため、母とも相談して、任意整理を選びました。
でも、返済が始まった直後、「乳癌」と診断されました。
すぐに手術して抗ガン剤治療を始めましたが、その副作用に苦しみました。
でも治療費もかかるし、返済もあり、仕事を休めませんでした。
母も仕事を休むことを認めませんでしたし（笑）。
会社に行っても街に出かけても、みんな幸せそうに見えて、
その度に浮かぶのは「どうして私だけが」。でも、そのたびに、完済の日は来る。
返済があるからこそ堅実に暮らすことができている。
返済があるからこそ貯金ができているのだと、何度も気持ちを奮い立たせました。
債務は完済しました。これからの夢は？
好きなアイドルグループが歌う曲の中に、
「後悔してばかりのあの日を消して、
目の前にある大切なものに気づくときは来るさ。
無限大の明日があるから」という歌詞があります。
今日、定期検診に行ってきました。もちろん異常なしです。
これからも、無限大の明日を信じて頑張ります。
　　　　　　　（Hさんの返済表）
一番下には、Hさんの「やったー!!!!」の文字が。
Hさんの努力と喜びが伝わってきました。

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