「未来を愁うことなく生きる」

再生者の声08（埼玉県在住60代女性） 

今回の再生者は、過去に二度、債務問題を抱えてしまいました。
現在は、夫婦は共に60歳を過ぎ、子どもたちもそれぞれに独立しました。
改めて、家計と向き合あい、お金との付き合い方を学ぶために、女性自立の会の勉強会「生き方美人café」にも
積極的に参加されています。生活に余裕がないときは、明日のことさえ不安に感じるものです。
だからこそ、家計と向き合おう。お金の話しをしよう。
今回は、過去にとらわれるではなく、未来を愁うことなく、
今を大切に生きようとしているNさんにお話を伺いました。

一度目の債務と二度目の債務。それぞれの経緯を教えてください。

一度目の借金は、夫の転勤で、家族4人（夫と私、そして息子と娘）で、地方で暮らすようになった頃が始まりでした。
お金に不自由のない暮らしから、結婚後は、夫の収入の中で暮らさなければいけません。
結婚当初は何とか暮らしていましたが、子どもが成長するにつれて、お付き合いも増え、生活費の足しになればと、
当時、駅前にあった消費者金融でほんの少し借りたのが初めてでした。
　その後は、生活費が不足すると、気軽に借入れに頼ってしまい、平成20年に一度目の債務整理をしました。
この時、月々3万円を3年間で返済することになりましたが、夫には相談しませんでした。
何とか、家計を立て直そうと、ある団体の「家計の勉強会」に参加しました。
でも、任意整理をしたことを話すことができなかったため、債務返済分を正直に書けず、
偽りの家計簿が辛くて、続きませんでした。
　二度目の借金は、債務を完済した一年後、夫の給料が激減して、これまでもらっていた額の半分くらいになってしまったことがきっかけでした。
毎月の住宅ローンもあり、私のパート収入を足しても、どうにもなりませんでした。
もう、私には借りる先がありません。この時も、夫にお金の相談をすることができず、
自宅に置いてあった夫のカードを無断で使ってしまい、今度は、夫名義の債務を増やしてしまいました。
　有田さんから、夫名義の債務である以上、夫に全てを話し、夫が債務整理することになると教えられたとき、
とんでもないことをしてしまったと震えが止まりませんでした。
ご主人に、生活が苦しいことや債務整理のことを相談できなかったのは、どうしてですか？
心配をかけてはいけない思いと、いつも少ない小遣いでやりくりをしている夫に対して、
やりくりが全くできていない後ろめたさ、恥ずかしさがあったからだと思います。
無断で夫のカードを使うようになってからは、毎日毎日が不安でしたが、
とても打ち明ける勇気はありませんでした。
過去の債務も全て告白した時、ご主人の反応はどうでしたか？
夫の落胆する姿を思うと、ただ恐かったです。でも、夫は私が話し終えると全て受け止めて、
一緒に弁護士事務所に行ってくれました。そして、二度目の債務は、夫婦で一緒に返していきました。
カードの更新ができなかったときは、辛そうで、本当に申し訳ないことをしてしまいました。
さぁ、これからの人生、どういきますか？
去年、住宅ローンも完済しました。夫婦で喜びました。
今、二人の収入を合わせてもひと月23万円程ですが、やっと生活が楽になったと実感できるようになりました。
ただ、その矢先、突然、家族に問題が起き、随分心を痛めました。
そんな中、嫁いだ娘からメッセージと共に、一本の映画「ニューイヤー・イブ」が届きました。
その映画の中に、「未来をあれこれ愁うことなく、期待と共に生きよう」という台詞がありました。
私も、もう若くはありません。病院にかかったりすることも増えました。
体と心の健康に気をつけて、明日のことを愁うことなく、希望をもって穏やかに暮らしていきたいです。

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