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2003年5月 Vol.16 まず、あなたが岸に上がりなさい。NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美 前回の会報で「借金を抱えた身内に対してどう対応すべきか」について書かせて頂きましたが、長引く不況の中で、最近は、若い方が、両親の事業経営を立て直すため借金をして支援をしたり、身内の連帯保証人となり請求を受けたことで相談に見えられる人が増えております。 若い方は、経験や知識が不足していて、連帯保証人の責任の重さも分からず、また、現在，ヤミ金融の問題がテレビ、新聞等でも多く取り上げられておりますが、これらの情報も入りにくい現状です。 そんな彼女たちを見ていると、9年前の自分の姿と重なります。苦しい日々の中で、司法書士の先生が私に言って下さった言葉「あなたがお父さんを助けたい気持ちは分かる。でも、まず、あなたが岸に上がりなさい。今、おぼれかけているあなたに、おぼれているお父さんを助けることなどできるはずがない！」 あれから、9年の歳月が流れ、多くの相談者の声に、私自身も成長させて頂きました。その私が、今、確信して言えることは、「あの時の私に、今の知識があれば、もっと違った形で解決できたはず。」ということです。 ご両親が子供のために支援を繰り返す。一方で、子供も親のためと思いお金を借りて支援を続けようとする。しかし、そこには、必ず「限界」があるのです。家族が苦しんでいる姿をみることは誰もが辛いことです。 だからこそ、冷静になりましょう。 親子の情から金銭的な支援を繰り返すことは、結果的に傷を深くする危険が大きいのです。むしろ、この窮地から脱出するためには、まず、貴女が岸に上がり、現状を離れた位置から冷静に見つめ、「どうすれば真に家族を助ける事ができるか」を考える事こそが必要だと、自分の愚かな体験を通して痛感しております。
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