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2004年4月 Vol.20 「相談者と共に歩む」NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美 先日、75歳を過ぎた女性が、借金の相談にみえられました。 借金ができたきっかけを尋ねたところ、数年前までは働いて生活できる程の収入を得ていたが、事情により転居したことから、収入が激減し、生活費の不足を補うために、初めて借金をしたということでした。 その後、僅かばかりの年金で、一日も遅れることなく返済を続けてこられたそうですが、昨年、これまで彼女の生活を支えてきたご家族が突然、職場を解雇となり、先の見えない不安から「もう、死ぬしかない」と思う毎日が続いていたそうです。 しかし、事務所を訪ねて下さった翌日、大変元気になられたご様子でお礼の電話を下さった彼女は「会報も読ませて頂いて、私も皆さんのお力になりたいと思いました。また、遊びに行かせて下さい」と明るい声でおっしゃって下さいました。彼女は、今、債務と向き合い、解決の第一歩を私たちと共に歩み出しました。 理念を持って会を立ち上げたものの、時には会の継続に悩むこともあります。しかし、「諦めてはいけない。人生は必ずやり直せるのだから」と伝えることができたことを通して、相談者の声が明るくなり、気持ちが前向きになる姿に、会を継続する重みに気づかされることが度々あります。 今、活動の継続と共に、ゆっくりではありますがしっかりとその根を張ることができつつあります。小さな団体の活動には限界はありますが、小さな団体だからこそ相談者一人一人と丁寧に向き合うことができる強さ、相談者と共に成長できる楽しみがあります。 どんな時も、諦めることなく活動を継続していくことの大切さを教えてくれる相談者との出会いに感謝します。
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