2007年11月 Vol.40

相談者と共に歩む

NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美

 10月末、念願の女性自立の会ホームページがリニューアル致しました。これまでのホームページは素人2人(夫と私)が、時にぶつかりながら、時に褒め合いながら試行錯誤を繰り返して更新を続けてきたものでした。ところが最近では「文字の大きさが揃わない」「上手くアップできない」など不具合も多く、また、お互い修正の時間が思うように取れず完全にお手上げ状態になっておりました。新しくなったホームページを前に、そんな日々が懐かしく思いだされます。

 これまで、初めてお会いした相談者から、「ホームページの『相談者からのメッセージ』を読んで相談に来る勇気がわきました。」とのお言葉を多く頂いておりましたが、なかなか読み返す時間もなく目の前の相談に追われておりました。でも、新しくなったことを機に私も『相談者からのメッセージ』を全て読み返してみました。そこには、これまで会の活動を支えて下さった方々の思い出や過去の相談者との思い出が沢山詰まっていて懐かしさがこみ上げ、あれから元気で暮らしているだろうか?幸せだろうか?一人一人の顔が懐かしく浮かんできました。

 最近、過去の相談者から相談者をご紹介いただくケースが続きました。もちろん、身近な人が債務の問題で悩んでいると知ったとき、当会を思い出して連絡を下さったことも嬉しいことですが、それ以上に、過去の相談者の近況が聞けることは私にとって何より嬉しいことです。過去、人生の岐路に立ち苦しんでいた人たちが、今を懸命に生きている姿は「人生は必ずやり直せる」という証のように思え、私自身にも力を与えてくれます。

 「私にもやっと泣ける場所が見つかった」相談者からのこの言葉に、女性が何でも話ができる場所を作りたいとの思いが、2000年6月の「NPO法人女性自立の会」の設立につながりました。 その後も沢山の相談者と出会い、その声を通して私自身も多くのことを学び、相談者と共に「女性自立の会」も成長してきたと感じています。 12月8日には多重債務者問題を考えるシンポジウムを行います。私たちは、相談者の「正しい知識」と「生きる力」、そして支援者の「共に寄り添い歩む姿勢」が多重債務者の再生には必要なことだと考えております。これからも相談者と2人三脚で人生のやり直しを目指して頑張ります。

目次
◇相談者からの「声」
 人生の再チャレンジ
神奈川県在住 60代女性
 夫婦での再出発
茨城県在住 40代女性
◇第9回再生プログラム報告
 「ライフプランを作ってみよう」
NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美
  参加者からの声
◇2007年 「お金のワークショップ」 第5回報告
 「これがお金の生きる道」
NPO法人女性自立の会 理事 河合直美
◇「仲間がいっぱい!」
東京財団 研究部 南條昌康
◇本の紹介 読んでみたら書きたくなりました
 「やもめぐらし−寡婦の文化人類学」 編者:椎野若菜 明石書店 3200円+税
NPO法人女性自立の会 理事 新井純子
◇事務局だより
 今後の予定、お知らせ、寄付・会報購読の振込先 編集後記

>> 会報・目次へ

ページ先頭へ