2009年11月 Vol.49

「証・人生はやり直せる」

NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美 

 半月程前、私の元に、待ちに待ったメールが届きました。メールの送り主は、4年前に当会に相談にきたMさん。そのメールには「たった今、最後の支払いをしました。これで完済です。嬉しいような、ほっとしたような、なんともいえないくすぐったい気持ちです」と書かれてありました。

 

Mさんとの出会いは、2006年秋。初めて逢った日の彼女は、抱えていた債務の問題だけでなく、一緒に暮らしていた実母からの干渉と依存に疲れ果てていました。元来真面目な性格のMさんは、一人で問題を抱え込み、心の病気を患っていました。「何度も死を考えました」とうつむく彼女に、これまで誰にも打ち明けることできなかった、深い「孤独」を感じました。

そんなMさんが、法律の先生と話し合い「任意整理」という解決を選択したとき、私は戸惑いました。当時Mさんは300万円もの債務を抱えていました。その債務を3年で完済するとなると、月々の返済だけで8万円にもなります。

Mさんの収入から考えて、楽な返済計画ではありません。やっと笑顔をみせてくれるようになった彼女が、この先途中で挫折してしまったら・・・。私は不安でたまらなかったのです。

しかし彼女は、3年間一度も滞ることなく毎月8万円以上の返済を続け、この11月に債務を完済したのです。

先日の再生プログラムの中で、Mさんに、この3年を振り返ってもらいました。
 「一年目は、本当に完済できるかと不安だった。二年目には、目に見えて債務が減っていることに喜びを感じ、毎月8万以上の返済も苦ではなくなり、返済分を引いた中での生活が身についてきた。三年目になると、完済できる!という確信が持てて、自信に繋がった」
 参加者の前で、堂々と話すMさんには、3年前の暗く沈んだ面影は無く、お金の管理に対する自信、生きる事への自信に満ち溢れていました。人間は、失敗する生き物です。でもその失敗をどう活かしていくかが成長の分かれ道。Mさんは今、確かに人生をやり直せたのです。そしてMさんの姿は、これまで彼女の頑張りを間近で見てきた当会の相談者たちにも勇気と希望を与えたのです。人生はやり直せるのです。

☆「一人で抱えないで!。あなたは一人ではないよ」☆(Mさんからのメッセージ)

目次
◇相談者からの「声」No.37
 「7年前の読者からのメッセージ」
東京都在住 40代女性
◇第5回再生プログラム報告
 初級クラス「優先順位を見極めよう」
                    NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美
 応用クラス「ライフプラン」
                                         みかん
◇第6回再生プログラム報告
 初級クラス「NO!と言える自分作り」
                    NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美
 応用クラス「健幸のススメ〜心と身体、もっと元気に」
                    NPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美
◇第7回再生プログラム報告
 合同クラス「年間収支で家計を捉える」
                    NPO法人女性自立の会 理事 高井えつこ
◇応援団からのメッセージ
                                      冨田幸彦さん
◇「どたばた母さん奮闘記」 
   〜手作りすれば安くて美味しい!編〜
◇本の紹介 読んでみたら書きたくなりました 
 「学校をつくりつづける」−自由の森学園の人と空間-

 市民グループ「あれあれあ」代表
合同会社「ヘルシー・カフェのら」社員
新井純子

◇事務局だより
 今後の予定、お知らせ、寄付・会報購読の振込先 編集後記

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