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2010年5月 Vol.50 「力」のチカラNPO法人女性自立の会 理事長 有田宏美 ２０１０年6月30日、NPO法人女性自立の会は、設立10周年を迎えます。思えば1６年前、何不自由なく幸せに暮らしていた私の生活は、実父の債務問題により一変してしまいました。どう対処すればよいのか、どこに相談すれば良いのかさえ分からず途方に暮れた経験から、「女性が安心して相談できる場所がない、ならば私が作ろう！」と活動を始めたのが１９９６年。やがて支えてくれる仲間、支援者との出会いにより、2000年6月30日、「NPO法人女性自立の会」を設立いたしました。設立と同時に始めた会報も今号で50号発行となりました。会報の中で「相談者の声」と題した、相談者自らが綴る体験談ではこれまでに37名の方にご協力いただきました。その「声」をホームページにアップすることで、さらに多くの多重債務に苦しんでいた方々の心に、相談する勇気を与え、生きる道しるべとなりました。 この10年、私たちは一貫して「相談者第一主義」「相談者主体の会」を目指して参りましたが、現在では、再生、自立した相談者がスタッフとして積極的に活動に携わり、相談者が相談者を支えることで、お互いの再生意欲を高め、前向きなエネルギーやパワーを感じています。 最近、「○○力」ということばを良く耳にします。消費生活に関わる「力」だけでも、「消費者力」「信用力」「生活力」「経済力」など次々と浮かんできます。もちろんどれも生きていく上で必要なものばかりです。しかし相談の現場では、間違った知識、育った環境の中で得た知識や思い込みにより知らず知らずの内に状況を悪化させてしまう、カードに依存してしまう、問題の解決を先送りしてしまう、現実と向き合う勇気がないなど、「生きていくための力」が備わっていない、身についていないために、多重債務に陥ってしまう人が多いと感じてきました。 そこで、この7月3日に行う、NPO法人女性自立の会設立10周年記念シンポジウムは、「広げよう３つの力−消費者力・生活力・生き抜く力−」と題して開催することにいたしました。 現在、企画から開催までを相談者主体で行うべく、準備を進めております。過去に多重債務に陥った経験を通して、今も苦しんでいる人の「力」になりたいという一人一人の思いが「結束力」となって行うシンポジウムは、毎年、他のシンポジウムでは得ることのできない感動、気づきがあります。皆様のご参加お待ち申し上げております。
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